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まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、インド六派哲学のサーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

サーンキヤ・カーリカー インデックス (Samkhya Karka Index 01~73)

イーシュヴァラクリシュナによる70節と、ほか3節、合計73節のインデックスです。 どの節も常に巡回・更新を行っている、翻訳演習ノートのようなものです。 学びが深まったり間違いに気づいたらガラリと更新していますので、見た日の時点の内容と思って読んで…

(参考)「Matharavritti」から見出される第73節

「バラモンの精神界 インド六派哲学の教典」訳・解説 湯田豊には、他の書「Matharavritti」から見出される第73節の訳があるのでここに引用紹介します。 それゆえに、完結に考察されたこの教典は内容を欠いていない。そして、それは広大な教典という鏡に反射…

「シャシュティ・タントラ」から逸話をカットし、議論を避けた書き方になっている

サーンキヤ・カーリカー 第72節・その注釈で述べられていること 実に、ここまでの70節で述べられたことは「シャシュティ・タントラ(sastitantra)」全体の要旨でもあります。「サーンキャ・カーリカー」では逸話をカットし、議論も避けています。 <「サー…

イーシュヴァラクリシュナが簡潔なアーリヤー調の詩節にした

サーンキヤ・カーリカー 第71節・その注釈で述べられていること 弟子たちを通じて伝えられたこの教えは、教義をよく理解し、高貴な心をもつイーシュヴァラクリシュナによって簡潔なアーリヤー調の詩節にまとめられました。 <「サーンキャ・カーリカー」内で…

聖者からアースリへ、アースリからパンチャシカへ伝えられた

サーンキヤ・カーリカー 第70節・その注釈で述べられていること この聖なる最高の教えを、聖者は親愛の思いでアースリに与えました。アースリも、それをパンチャシカに与えました。彼(パンチャシカ)によって、その教義はつまびらかにされていきました。 <…

存続と生と死について考え伝えられた、秘められた知識

サーンキヤ・カーリカー 第69節・その注釈で述べられていること このプルシャの目的である知識は秘められ、最高の聖仙から伝えられました。それは存続、発生、崩壊について熟考され、構成されたものです。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>この節…

肉体から離れて独存へ

サーンキヤ・カーリカー 第68節・その注釈で述べられていること 肉体から離れ、目的が達成されると根本原質は活動をやめ、たしかで、かつ終わりのない「独存」に達します。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>よく「独存」や「解脱」と訳される kai…

完全な知識を得ても、過去の勢いで肉体は保有し続ける

サーンキヤ・カーリカー 第67節・その注釈で述べられていること 完全な知識を得ることで、功徳などのダルマが作用の原因としてはたらくことはなくなります。ろくろが粘度を取り去っても過去の勢いで回転し続けるように、身体は保有し続けます。 <「サーンキ…

プルシャは見ただけ。プラクリティは見られただけ。ただそれだけ

サーンキヤ・カーリカー 第66節・その注釈で述べられていること 一方は「わたしは見た」と思って無関心になり他のものは「わたしは見られた」と思って活動をやめます。両者が結びついたとしても、創造の必要性は存在しません。 <「サーンキャ・カーリカー」…

停止したプラクリティを、プルシャは観客のように眺める

サーンキヤ・カーリカー 第65節・その注釈で述べられていること それにより、生み出すことをやめ、目的による7つの様体をとらなくなったプラクリティをプルシャは観客のように、落ち着いてくつろいで眺めます。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>…

原理を習得すると、知識が生まれてくる

サーンキヤ・カーリカー 第64節・その注釈で述べられていること このように、原理を練習によって習得することで「わたしは~ではない」「~はわたしのものではない」「~の存在はわたしではない」という、あますところのない、間違った認識のない、純粋でま…

プラクリティは様体を使って解脱する

サーンキヤ・カーリカー 第63節・その注釈で述べられていること プラクリティは7つの様体を使って、自分で自分を束縛します。プラクリティ自身がプルシャのために、ひとつの様体を使って解脱をさせます。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>ではプ…

プルシャではなくプラクリティが束縛・解脱・輪廻をする

サーンキヤ・カーリカー 第62節・その注釈で述べられていること それゆえに、いかなるもの(プルシャ)も、束縛されることなく、解脱することなく、輪廻することもありません。さまざまなものを拠り所とするプラクリティが、束縛・解脱・輪廻をしているので…

プラクリティほどきめ細かく柔軟なものはない

サーンキヤ・カーリカー 第61節・その注釈で述べられていること 「プラクリティほどきめ細かく柔軟なものは、ほかには存在しない」というのがわたしの考えです。観る者に向けてふるまった後は、再びプルシャに見られようとはしません。 <「サーンキャ・カー…

プラクリティは無用なことを実行する

サーンキヤ・カーリカー 第60節・その注釈で述べられていること 新たなさまざまな方法を使って、情け深く非利己的に、プルシャのためにグナを有するプラクリティは、グナを有さないプルシャのために、意味もなく実行をします。 <「サーンキャ・カーリカー」…

プラクリティはプルシャにみずからを示したら活動を終える

サーンキヤ・カーリカー 第59節・その注釈で述べられていること ステージで演目を終えたダンサーが踊りを終了するように、プラクリティはプルシャにみずからを示したあと、活動を終えます。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>第59節と第60節はフェ…

プラクリティはプルシャの解脱のために活動する

サーンキヤ・カーリカー 第58節・その注釈で述べられていること 思いを鎮めるために人間が行為をするのと同じように、プルシャの解脱のために、未展開のもの(プラクリティ)は活動をします。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>サーンキヤ哲学の二…

根本原質としてのプラクリティの活動

サーンキヤ・カーリカー 第57節・その注釈で述べられていること 子の成長のために無意識の牛乳が活動するように、 プルシャの解脱のために、根本原質としてのプラクリティは活動します。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前節に引き続き、プラク…

プラクリティの活動目的

サーンキヤ・カーリカー 第56節・その注釈で述べられていること プラクリティの自動的な活動は、大なるものから元素に至るまでに及び、それはプルシャの解脱のために行われます。自己のためであるかのようでありながら、他のもののために開始されます。 <「…

苦しみは自然なこと

サーンキヤ・カーリカー 第55節・その注釈で述べられていること そこでは、知性をもつプルシャは老いと死によって引き起こされる苦しみを受けます。リンガが消滅するまで。それゆえ、苦しみは自然なことです。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>被…

3種の性質(トリグナ)と被造物

サーンキヤ・カーリカー 第54節・その注釈で述べられていること サットヴァの多いものは上方に、タマスの多いものは下方に、ラジャスの多いものは中間に。創造はブラフマーから草にまで及ぶ。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前節の内容に即しつ…

被造物は3種類 神、動植物、人間 

サーンキヤ・カーリカー 第53節・その注釈で述べられていること まとめると、被造物は神々のものが8種類、動植物で5種類、人間で1種類あります。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>このあとの第54節から「創造とグナ」の説明になるので、そのまえ…

「リンガ」と「状態」 2重の創造

サーンキヤ・カーリカー 第52節・その注釈で述べられていること 「状態」がなければ、「リンガ」は存在しません。「リンガ」がなければ、「状態」はあらわれません。そのれゆえに、「リンガと呼ばれるもの」「状態と呼ばれるもの」として、2重の創造が行われ…

達成は8種類

サーンキヤ・カーリカー 第51節・その注釈で述べられていること 8種類の達成は 考えること ことば 学習 内なる苦痛を滅する(「3種の苦痛を滅すること」の1) 外なる苦痛を滅する(「3種の苦痛を滅すること」の2) 神意、運命による苦痛を滅する(「3種の苦…

満足は内的なものが4種、外的なものが5種。合わせて9種類

サーンキヤ・カーリカー 第50節・その注釈で述べられていること 内的な満足は4種類あり、「プラクリティ」「材料」「時間」「幸運」と呼ばれます。外的な満足は5種類あり、感覚器官の対象から離れることから起こります。(これらを合わせ)満足は9種類と考え…

無能力の状態は28種類

サーンキヤ・カーリカー 第49節・その注釈で述べられていること 11器官【知覚器官(5)+行為器官(5)+マナス】の損傷は、統覚機能であるブッディの損傷とともに、無能力として示されました。ブッディの損傷は17種類です。満足(9種類)と達成(8種類)の…

タマス質、迷い、大きな迷い、暗闇、真っ暗闇の数

サーンキヤ・カーリカー 第48節・その注釈で述べられていること タマス質は8種類です。迷いも同様(8種類)です。大きな迷いは10種類です。暗闇は18種類で、盲目の暗闇も同様(18種類)です。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>タマス質を細分化し…

あべこべの認識、無能力、満足、達成。それぞれの数

サーンキヤ・カーリカー 第47節・その注釈で述べられていること あべこべの認識は5種類あります。器官の欠陥から起こる無能力は28種類あります。満足は9種類あります。達成は8種類あります。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前節の内容をさらに…

あべこべの認識・無能力・満足・達成が認識を創造する。それは50種類にもなる

サーンキヤ・カーリカー 第46節・その注釈で述べられていること これらは、認識が創造するものです。(この創造は)あべこべの認識、無能力、満足、達成と呼ばれます。グナが比率を取り合うはたらきによって、それは(さらに細分化されるので、数えると)50…

執着、無執着と自在力

サーンキヤ・カーリカー 第45節・その注釈で述べられていること 執着を離れることで、プラクリティへの没入が起こります。激しい執着から輪廻が起こります。自在力によって妨害のない状態があり、自在力がなければ妨害が起こります。 <「サーンキャ・カーリ…

功徳は上方へ、罪過は下方へ。知により解脱へ、無知により束縛へ

サーンキヤ・カーリカー 第44節・その注釈で述べられていること 功徳は上方へ向かいます。罪過は下方へ向かいます。知によって解脱が、その反対のもの(無知)によって束縛があると認められています。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前の第43節…

ダルマの状態は3種類ある

サーンキヤ・カーリカー 第43節・その注釈で述べられていること 功徳には、先天的な生まれつきのもの、自然にそなわるもの、後から獲得するものがあります。これらは器官を拠り所とすると認められています。妊娠直後の胎児は、結果である粗大な身体を拠り所…

偏在するプラクリティとの結びつきでリンガがあらわれる

サーンキヤ・カーリカー 第42節・その注釈で述べられていること 微細な身体(リンガ)は、プルシャの目的を理由に、原因と結果が結びつくことによって、さまざまな形であらわれます。プラクリティ(そのあらわれのなかに潜在的に存在している物質的原因)は…

リンガは微細な要素を拠り所とする

サーンキヤ・カーリカー 第41節・その注釈で述べられていること キャンバスのような拠り所がなければ、絵は存在できません。杭などがなければ、影は存在できません。これと同じように、微細な身体(リンガ)は、微細な要素を拠り所とすることで存在します。 …

リンガは常に存在し、輪廻する

サーンキヤ・カーリカー 第40節・その注釈で述べられていること リンガ(微細な身体)は(世界が)存在する前からあり、固執することなく、常に存在しています。大きなものから微細なものまでを範囲としたものから構成され、経験を持つことがなく、さまさま…

微細なものは常に存在し、粗大なものはいずれ消滅する

サーンキヤ・カーリカー 第39節・その注釈で述べられていること 微細なもの、父母から生じた身体は、粗大な元素とともに、3種類のありかたで特異化・変化して存在することになります。それらのうち、微細なものは常に存在し、父母から生じた身体は消滅します…

微細なものは特異化しない。粗大なものが特異化する

サーンキヤ・カーリカー 第38節・その注釈で述べられていること 微細な要素は、特異なものに変化することはありません。微細な要素の5つから5つの粗大な元素があらわれ、この粗大なほうが、特異に変化すると伝えられています。おだやかな(サトヴィックな)…

ブッディは微細なものを識別する

サーンキヤ・カーリカー 第37節・その注釈で述べられていること ブッディはプルシャに、あらゆるものに対する "享受" を成立させます。 またさらに、「プルシャがプラクリティとは別のものである」という微細な違いを識別しているのもブッディです。 <「サ…

プルシャが目的とするものが器官の協力によって照らし出され、ブッディに渡される

サーンキヤ・カーリカー 第36節・その注釈で述べられていること グナが特別に変化したものであるこれら(3つの内的器官と10の外的器官)は、それぞれ特異質を持ちながら、ロウソクの役割を果たします。プルシャが目的とするものをすべて照らし出し、ブッディ…

ブッディと内的器官は門番、外的器官は門

サーンキヤ・カーリカー 第35節・その注釈で述べられていること 内的器官とともにブッディはすべての対象を捉えます。そのため、3種の内的器官が門番、ほかの外的器官が門ということになります。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>すべての対象の…

知覚器官、行為器官の対象領域

サーンキヤ・カーリカー 第34節・その注釈で述べられていること これら13の器官のうち、5つの知覚器官は特殊なことも、特殊でないことも対象にします。 行為器官のうち「話す」器官は音を対象にします。 そしてその残りの行為器官は(「色」「音」「香」「味…

外的器官は現在だけを、内的器官は過去・現在・未来を対象とする

サーンキヤ・カーリカー 第33節・その注釈で述べられていること 内的器官は3つあります。外的器官は10個で、3つの内的器官の対象といわれます。外的器官は「現在」を対象とし、内的器官は3つの時(過去・現在・未来)を対象とします。 <「サーンキャ・カー…

捉える、保持する、明らかにする

サーンキヤ・カーリカー 第32節・その注釈で述べられていること 道具である器官は13種類あります。5つの行為器官は「捉えること」と「保持すること」をします。5つの知覚器官は「照らすこと」をします。これら(13種類の器官)のはたらきかけかたは10種類あ…

道具である器官を動かすことができるのは、プルシャだけ

サーンキヤ・カーリカー 第31節・その注釈で述べられていること 道具である器官は、それぞれが刺激を得て、それぞれのはたらきをします。この道具を動かす原因になりえるのは、プルシャの目的(プルシャは享受者なので、「対象を享受すること」)だけです。…

見える対象、見えない対象への4器官のはたらきかた

サーンキヤ・カーリカー 第30節・その注釈で述べられていること 4つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス・知覚行為器官のどれかひとつ)は、見えるものに対して、同時または順次にはたらきます。同じように、見えない対象に対しても、3つ(ブッディ・アハンカ…

ブッディ・アハンカーラ・マナスの3つは、独自の特質をもってはたらく

サーンキヤ・カーリカー 第29節・その注釈で述べられていること 3つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス)は、独自の特質をもつことが、そのはたらきです。(10の器官のはたらきとは)共通しないものです。プラーナなどの5つの風は、(すべての器官に)共通の…

知覚器官は、ただ知覚するだけ。行為器官は、こんなことをする

サーンキヤ・カーリカー 第28節・その注釈 で述べられていること 形やその他の5つの知覚器官のはたらきは、ただ知覚をするだけのものと認められています。 5つの行為器官は、話すこと・手で取ること・歩くこと・排泄すること・性のよろこびであると認められ…

マナス(思考器官)

サーンキヤ・カーリカー 第27節・その注釈で述べられていること マナスは知覚器官・行為器官の両方の性質をもっています。マナスのもつはたらきは、なにかを分別したり確定する「思考の原理」で、知覚器官が感覚をもちあわせるものと同様に備えているという…

ブッディ・インドリヤ(知覚器官)と カルマ・インドリヤ(行為器官)

サーンキヤ・カーリカー 第26節・その注釈 で述べられていること ブッディ・インドリヤ(知覚器官)は、目・耳・鼻・舌・皮膚として知られ、カルマ・インドリヤ(行為器官)は、発声器官・手・足・排泄器官・生殖器官といわれています。 <「サーンキャ・カ…

アハンカーラの発現元 3つのグナと自我意識

サーンキヤ・カーリカー 第25節・その注釈で述べられていること サットヴァの豊富な11(の感覚器官)は、(サットヴァが豊富な状態に)変化したアハンカーラから発現します。 元素から微細な要素が発現します。それはタマス質のものです。タイジャサ(炎のよ…