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まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、インド六派哲学のサーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

無能力の状態は28種類

サーンキヤ・カーリカー 第49節・その注釈で述べられていること 11器官【知覚器官(5)+行為器官(5)+マナス】の損傷は、統覚機能であるブッディの損傷とともに、無能力として示されました。ブッディの損傷は17種類です。満足(9種類)と達成(8種類)の…

タマス質、迷い、大きな迷い、暗闇、真っ暗闇の数

サーンキヤ・カーリカー 第48節・その注釈で述べられていること タマス質は8種類です。迷いも同様(8種類)です。大きな迷いは10種類です。暗闇は18種類で、盲目の暗闇も同様(18種類)です。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>タマス質を細分化し…

あべこべの認識、無能力、満足、達成。それぞれの数

サーンキヤ・カーリカー 第47節・その注釈で述べられていること あべこべの認識は5種類あります。器官の欠陥から起こる無能力は28種類あります。満足は9種類あります。達成は8種類あります。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前節の内容をさらに…

あべこべの認識・無能力・満足・達成が認識を創造する。それは50種類にもなる

サーンキヤ・カーリカー 第46節・その注釈で述べられていること これらは、認識が創造するものです。(この創造は)あべこべの認識、無能力、満足、達成と呼ばれます。グナが比率を取り合うはたらきによって、それは(さらに細分化されるので、数えると)50…

執着、無執着と自在力

サーンキヤ・カーリカー 第45節・その注釈で述べられていること 執着を離れることで、プラクリティへの没入が起こります。激しい執着から輪廻が起こります。自在力によって妨害のない状態があり、自在力がなければ妨害が起こります。 <「サーンキャ・カーリ…

功徳は上方へ、罪過は下方へ。知により解脱へ、無知により束縛へ

サーンキヤ・カーリカー 第44節・その注釈で述べられていること 功徳は上方へ向かいます。罪過は下方へ向かいます。知によって解脱が、その反対のもの(無知)によって束縛があると認められています。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>前の第43節…

ダルマの状態は3種類ある

サーンキヤ・カーリカー 第43節・その注釈で述べられていること 功徳には、先天的な生まれつきのもの、自然にそなわるもの、後から獲得するものがあります。これらは器官を拠り所とすると認められています。妊娠直後の胎児は、結果である粗大な身体を拠り所…

偏在するプラクリティとの結びつきでリンガがあらわれる

サーンキヤ・カーリカー 第42節・その注釈で述べられていること 微細な身体(リンガ)は、プルシャの目的を理由に、原因と結果が結びつくことによって、さまざまな形であらわれます。プラクリティ(そのあらわれのなかに潜在的に存在している物質的原因)は…

リンガは微細な要素を拠り所とする

サーンキヤ・カーリカー 第41節・その注釈で述べられていること キャンバスのような拠り所がなければ、絵は存在できません。杭などがなければ、影は存在できません。これと同じように、微細な身体(リンガ)は、微細な要素を拠り所とすることで存在します。 …

リンガは常に存在し、輪廻する

サーンキヤ・カーリカー 第40節・その注釈で述べられていること リンガ(微細な身体)は(世界が)存在する前からあり、固執することなく、常に存在しています。大きなものから微細なものまでを範囲としたものから構成され、経験を持つことがなく、さまさま…

微細なものは常に存在し、粗大なものはいずれ消滅する

サーンキヤ・カーリカー 第39節・その注釈で述べられていること 微細なもの、父母から生じた身体は、粗大な元素とともに、3種類のありかたで特異化・変化して存在することになります。それらのうち、微細なものは常に存在し、父母から生じた身体は消滅します…

微細なものは特異化しない。粗大なものが特異化する

サーンキヤ・カーリカー 第38節・その注釈で述べられていること 微細な要素は、特異なものに変化することはありません。微細な要素の5つから5つの粗大な元素があらわれ、この粗大なほうが、特異に変化すると伝えられています。おだやかな(サトヴィックな)…

ブッディは微細なものを識別する

サーンキヤ・カーリカー 第37節・その注釈で述べられていること ブッディはプルシャに、あらゆるものに対する "享受" を成立させます。 またさらに、「プルシャがプラクリティとは別のものである」という微細な違いを識別しているのもブッディです。 <「サ…

プルシャが目的とするものが器官の協力によって照らし出され、ブッディに渡される

サーンキヤ・カーリカー 第36節・その注釈で述べられていること グナが特別に変化したものであるこれら(3つの内的器官と10の外的器官)は、それぞれ特異質を持ちながら、ロウソクの役割を果たします。プルシャが目的とするものをすべて照らし出し、ブッディ…

ブッディと内的器官は門番、外的器官は門

サーンキヤ・カーリカー 第35節・その注釈で述べられていること 内的器官とともにブッディはすべての対象を捉えます。そのため、3種の内的器官が門番、ほかの外的器官が門ということになります。 <「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>すべての対象の…

ヴェーダーンタでは「感じ方」は教えない

ヴェーダーンタ哲学者シャンカラチャリヤの説明のあとに、シャルマ先生(サーンキヤ・ヨーガが専門)がさらっとコメントしたひとこと。 ヴェーダーンタでは「感じ方」は教えない この言葉のメモに、赤線が引かれていました。当時のわたしが引きました。その…

知覚器官、行為器官の対象領域

サーンキヤ・カーリカー 第34節・その注釈で述べられていること これら13の器官のうち、5つの知覚器官は特殊なことも、特殊でないことも対象にします。 行為器官のうち「話す」器官は音を対象にします。 そしてその残りの行為器官は(「色」「音」「香」「味…

外的器官は現在だけを、内的器官は過去・現在・未来を対象とする

サーンキヤ・カーリカー 第33節・その注釈で述べられていること 内的器官は3つあります。外的器官は10個で、3つの内的器官の対象といわれます。外的器官は「現在」を対象とし、内的器官は3つの時(過去・現在・未来)を対象とします。 <「サーンキャ・カー…

捉える、保持する、明らかにする

サーンキヤ・カーリカー 第32節・その注釈で述べられていること 道具である器官は13種類あります。5つの行為器官は「捉えること」と「保持すること」をします。5つの知覚器官は「照らすこと」をします。これら(13種類の器官)のはたらきかけかたは10種類あ…

道具である器官を動かすことができるのは、プルシャだけ

サーンキヤ・カーリカー 第31節・その注釈で述べられていること 道具である器官は、それぞれが刺激を得て、それぞれのはたらきをします。この道具を動かす原因になりえるのは、プルシャの目的(プルシャは享受者なので、「対象を享受すること」)だけです。…

見える対象、見えない対象への4器官のはたらきかた

サーンキヤ・カーリカー 第30節・その注釈で述べられていること 4つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス・知覚行為器官のどれかひとつ)は、見えるものに対して、同時または順次にはたらきます。同じように、見えない対象に対しても、3つ(ブッディ・アハンカ…

ブッディ・アハンカーラ・マナスの3つは、独自の特質をもってはたらく

サーンキヤ・カーリカー 第29節・その注釈で述べられていること 3つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス)は、独自の特質をもつことが、そのはたらきです。(10の器官のはたらきとは)共通しないものです。プラーナなどの5つの風は、(すべての器官に)共通の…

知覚器官は、ただ知覚するだけ。行為器官は、こんなことをする

サーンキヤ・カーリカー 第28節・その注釈 で述べられていること 形やその他の5つの知覚器官のはたらきは、ただ知覚をするだけのものと認められています。 5つの行為器官は、話すこと・手で取ること・歩くこと・排泄すること・性のよろこびであると認められ…

マナス(思考器官)

サーンキヤ・カーリカー 第27節・その注釈で述べられていること マナスは知覚器官・行為器官の両方の性質をもっています。マナスのもつはたらきは、なにかを分別したり確定する「思考の原理」で、知覚器官が感覚をもちあわせるものと同様に備えているという…

ブッディ・インドリヤ(知覚器官)と カルマ・インドリヤ(行為器官)

サーンキヤ・カーリカー 第26節・その注釈 で述べられていること ブッディ・インドリヤ(知覚器官)は、目・耳・鼻・舌・皮膚として知られ、カルマ・インドリヤ(行為器官)は、発声器官・手・足・排泄器官・生殖器官といわれています。 <「サーンキャ・カ…

アハンカーラの発現元 3つのグナと自我意識

サーンキヤ・カーリカー 第25節・その注釈で述べられていること サットヴァの豊富な11(の感覚器官)は、(サットヴァが豊富な状態に)変化したアハンカーラから発現します。 元素から微細な要素が発現します。それはタマス質のものです。タイジャサ(炎のよ…

ビンゴでギーター 16章2節

この節は東京で2名のかたが選定されました。 この節は前後の節とあわせて、3節にわたって「神的な者は、こういう性質であるべきだ」という事項が TO DOリストのようにリストアップされます。 <田中嫺玉さんの訳> 至上者(バガヴァーン)語る無恐怖 清らか…

アハンカーラは、知覚したものを自己に関連づける

サーンキヤ・カーリカー 第24節・その注釈 で述べられていること 「アハンカーラ」は、知覚したものを自己に関連づけるものです。 その「アハンカーラ」から、「11の数ある一群」と「5つの微細な要素」という2つの種類の創造がなされます。 <「サーンキャ・…

「ブッディ」は、「決める」というこころのはたらき

サーンキヤ・カーリカー 第23節・その注釈で述べられていること 「ブッディ」は、「決める」というこころのはたらきをします。 「功徳」「知識」「離欲」「力の使い方をコントロールすること」ができるのは、サットヴァが豊富な状態のあらわれです。 タマス…

哲学は生活の中にある

「経験の領域。視覚と意識」というエントリーにも書きましたが、わたしにサーンキヤ哲学を教えてくれたシャルマ先生の言葉の中で everytime new experience というのが好きです。先日、サーンキヤ・カーリカーの第17節を読み、自分なりに咀嚼しながらまた思…

「プラクリティ」「マハー」「アハンカーラ」と、16からなるグループ

サーンキヤ・カーリカー 第22節・その注釈で述べられていること プラクリティから「マハー(大なるもの)」が展開します。 マハーから「アハンカーラ(自我意識、I-ness)」が展開します。 アハンカーラから、16のものから構成されるグループが展開します。 …

プルシャとプラクリティが結びつくことで、創造がある

サーンキヤ・カーリカー 第21節・その注釈で述べられていること プルシャは「見る」ことのために、根本原質としてのプラクリティは(プルシャが)「独存する」ことのために(成し遂げるために)結合します。 盲人が足の不自由な人を背負って歩き目的地へたど…

プルシャとグナの結びつき

サーンキヤ・カーリカー 第20節・その注釈で述べられていること したがって、それ(プルシャ)と結合することで、無感覚なリンガがあたかも意識を備えているかのような状態になります。また、グナが活動の主体であるのに、ニュートラルなもの(プルシャ)が…

プルシャは分離して存在する

サーンキヤ・カーリカー 第19節・その注釈で述べられていること(この節は第11節「根本原質としてのプラクリティ」との対比の形で語られています) それゆえ、(第11節と)の反対の関係にあるため、プルシャが以下であることが立証されます。 見た者であるこ…

ヒミツのススメ

哲学授業冒頭の雑談で、シャルマ先生がさらりと言ったひとこと。 将来の見込み、希望は秘めておくものだ。人に何をしているか(どんな練習をしているか)内情は話さないものだ。 11世紀以降に栄えたハタ・ヨーガの教典にはこのようなフレーズがよく出てきま…

プルシャはユニーク化できる存在

サーンキヤ・カーリカー 第18節・その注釈で述べられていること プルシャの存在の複数性は、(以下により)立証されます。固体の生死、器官が個体それぞれに定められているから。同時に活動をしないということあるから。トリグナの構成に違いがあるから。 <…

プルシャは存在する

サーンキヤ・カーリカー 第17節・その注釈で述べられていること プルシャは存在します。 すべての集合体はなにかの目的のためにあるから。 トリグナとは逆のもの(トリグナによって構成されないもの)であるから。 コントロールをするものがあるはずだから。…

識別できないものであっても、存在はしている理由のブレイクダウン

サーンキヤ・カーリカー 第16節・その注釈で述べられていること (「識別できないものであっても、いま展開していないだけで存在はしている」とみなされるべきだ。と主張する理由を詳述) 未展開のものは、原因として存在します。トリグナのはたらき、トリグ…

識別できないものであっても、存在はしている理由

サーンキヤ・カーリカー 第15節・その注釈で述べられていること (「識別できないものであっても、いま展開していないだけで存在はしている」とみなされるべきだ。と主張する理由を羅列) 数や量は切られるから関係性があるから力によって活動するから原因と…

識別できない存在(未展開プラクリティの存在)

サーンキヤ・カーリカー 第14節・その注釈で述べられていること 識別できないものと、そのほかのものは3つのグナによって構成されること、そしてその逆はないこと(=グナがなければ構成されない)によって、存在が立証されます。結果は原因(グナ)の本質に…

3つの性質(トリグナ)の詳細

サーンキヤ・カーリカー 第13節・その注釈で述べられていること サットヴァは軽快で、対象を照らす性質 ラジャスは要望し、活動を促し、落ち着かない性質 タマスは重く、不明瞭な性質です。 これらはロウソクのように、ひとつの目的を果たすためにはたらきま…

3つの性質(トリグナ)

サーンキヤ・カーリカー 第12節・その注釈で述べられていること グナは快・不快・消沈を自然な性質として持ち合わせ照らすこと・活性化させること・抑制することが目的です。(グナは)相互に支配し、よりどころとなり、生成し、協力し、作用しあいます。 <…

根本原質としてのプラクリティ

サーンキヤ・カーリカー 第11節・その注釈で述べられていること 展開済みであってもなくても、根本原質としてのプラクリティは、 3種の性質(トリグナ)によって成り立ち トリグナと分け隔てのないもので 標的・対象になりえるもので 一般的で 意識がなく 生…

展開したプラクリティの状態

サーンキヤ・カーリカー 第10節・その注釈で述べられていること 展開したものは 原因を持っており 永続するものではなく 在る場所を限られ(偏在せず) 動き活動し 多種多様で 依存し いずれ元に戻るように消えてなくなり 部分を持ち なにかに従属・付随する…

結果は原因と同じ性質を持っている

サーンキヤ・カーリカー 第9節・その注釈で述べられていること 実体のないところからは、なにも実行されません。結果のためには、それに見合う物質的原因が選ばれます。すべてのなかに、なにかが存在することはありません。能力のあるものが、実行可能なもの…

プラクリティは、微細すぎて見えない

サーンキヤ・カーリカー 第8節・その注釈で述べられていること 微細なために、それは知覚されません。それが存在しないからではありません。結果を通じて、それは知覚されます。マハーなどの結果は、プラクリティとは異なるものであり、また似ているものでも…

存在するものが認識されないのは、こんなとき

サーンキヤ・カーリカー 第7節・その注釈で述べられていること (存在するものでも、このようなことにより認識されません) 遠すぎる 近い 感覚が機能していない 注意力が機能していない 微細 障害物がある 隠されている、制圧されている 似たものを混同し、…

直接経験・知覚のブレイクダウン2 知覚を超える認識

サーンキヤ・カーリカー 第6節・その注釈で述べられていること 共通に見られているものからの推論によって、感覚器官による知覚を超えたものが認められます。それでも知覚されようのないものは、信頼に値する教えによって確立されます。 <「サーンキヤ・カ…

直接経験・知覚のブレイクダウン1 推論は3種類ある

サーンキヤ・カーリカー 第5節・その注釈で述べられていること 「直接経験や知覚」は、対象それぞれのことを確認することです。「推論」は、3種類のものがあるといわれています。それは、リンガとリンガのもとになるものによって先行されます。「信頼される…

正しい知識を認める方法は3種類ある

サーンキヤ・カーリカー 第4節・その注釈で述べられていること 「直接経験や知覚」「推論」「信頼される人のことば」によって「正しい知識」のすべての証明が確立されています。この3種類の方法で「正しい知識」は認められ、その認識手段にもとづいて認識対…