まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

こころのはたらきの生成要素数

サーンキヤ・カーリカー 第3節・その注釈で述べられていること

根源的なプラクリティは、展開しません。

マハーなどの7つはプラクリティであり、展開済のものです。

16のものも、展開済のものです。

プルシャはプラクリティではなく、展開するものでもありません。

 

<「サーンキヤ・カーリカー」内でのこの節>

プルシャの独立性を説明するために、それ以外のものの数を示してしています。サーンキヤを象徴するような節です。

「マハーなどの7つ(マハー、アハンカーラ、タンマトラ:5つの微細な要素)」「16のもの」は後の第22節でまとめられます。

 

ラクリティについての説明には、この節にあるムーラプラクリティ(mulaprakrti)と、展開するはたらきをそなえたプラダーナ(pradhana)があります。

プラダーナについては第11節、第19節、第68節でも述べられます。

 

<日本語化の意図メモ>

展開を動的なものとしてとらえられると、サーンキヤ哲学を理解しやすいです。

 

<用語メモ>

根源的な自然原質、根源的なプラクリティ(mula + prakrtih)
展開しない(avikriti / a=not,vi=離れる / kriti=活動する)
展開する、展開したもの(vikriti,vikarah,vikaro)
この節では「認識」の意味が強い。大なるもの、マハー(maha)
ラクリティ、展開するもの、展開する主体(prakrti)
など(dadyah)
7(sapta)
16ある(sodasa + kas)
プルシャ(purudah)

 

関連用語メモ:

エゴ(ahamkara)
マナス、反応する意識(manas)
五つの微細な要素(tanmatra)空海密教でいう「五大」
五つの感覚能力=五感(janendriya or buddhi-indriya)
五つの行為能力(karmendriya)
五つの表体要素(mahabhoota or bhoota)

 

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