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まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、インド六派哲学のサーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

アハンカーラの発現元 3つのグナと自我意識

Samkhya Karika

サーンキヤ・カーリカー 第25節・その注釈で述べられていること

サットヴァの豊富な11(の感覚器官)は、(サットヴァが豊富な状態に)変化したアハンカーラから発現します。

元素から微細な要素が発現します。それはタマス質のものです。
タイジャサ(炎のように激するラジャシック・アハンカーラ)は、上記の両方を発現させます。


<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
知覚したものを自己に関連づけるアハンカーラとトリグナのはたらき方を説明しています。

11の感覚器官のうち10は、次の第26節で説明されます。

もう一つはマナスで、第27節で説明されます。

 

<日本語化の意図メモ>
元の文では淡々と数とその性格が述べられています。ここはサーンキヤを理解するのに大変重要な部分なので、あえてトリグナの要素が見えやすい文章にしました。

ヨーガを学んでからサーンキヤを紐解くと、サットヴァ至上主義の感覚がしみついてしまっていて、「サトヴィックなアハンカーラ」というものが理解できなくなることがあります。

「ラジャシックなアハンカーラ=激性=いけないもの」という捉えかたをするのも、性質の理解として短絡的です。トリグナは「はたらきかた」の性質を指す言葉なので、グナ自体が「よい・悪い」で語られるものではありません。
「タマシックなもの」も同様で、ここでは素粒子の元と同じだという説明がされています。
この節に登場する「vaikrtad ahamkara」は「変化する自我意識」と訳しましたが、感覚的には「状態するアハンカーラ」と表現したい感じです。生きている状態があることも、死んでいる状態があることも自然なことである、という考えが前提にあります。(詳細は下の「用語メモ」参照)


<用語メモ>
サットヴァが豊富、サトヴィックな(sattvika)
11(ekadasa,ekadasha)
行われる、結果、そうなる、有効である、適用される(pravartate)
変化する、独創性のない、形のない、変形する(vaikrta)
アハンカーラ、自我意識、私・意識、I-ness(ahankara,ahamkara)
変化する自我意識(vaikrtad ahamkara)
元素、要素(bhuta)
微細な要素(tanmatra)
タマスが豊富、タマシックな(tamasa)
鮮やかな、熱烈な、激しい(taijasa)※ここでは炎のように激するラジャシックなアハンカーラ
両方(ubhaya,ubhayor)
根源的な自我意識から生れる微細要素(bhutades tanmatra / bhutades=ahamkara)
「vaikrtad」は英語では以下の語の要素を持っており、日本語にすると「状態する」という感じです。

change,spectre,alienation,growth,variation,derivative,sickness,agitation,formation,changed condition,defection,phantom,revolt,abortion,emotion,rebellion,apparition,perturbation,alteration,disease,verse changed in a particular manner,any production,hostility,modification,development

 

アーサナ練習の雑学メモ>
ubhaya(両方の、両者の)は、両足を持つ「ウバヤ・パタングシュタ・アーサナ」の "ウバヤ" です。

 

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