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まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、インド六派哲学のサーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

執着、無執着と自在力

サーンキヤ・カーリカー 第45節・その注釈で述べられていること

執着を離れることで、プラクリティへの没入が起こります。
激しい執着から輪廻が起こります。
自在力によって妨害のない状態があり、自在力がなければ妨害が起こります。


<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
ここまででいったん因果の法則の説明が終了し、この次の節から、善悪や幸不幸などの「観念・認識・理解(pratyaya)」を生み出すさまざまな心のはたらきを、さらに細かく分解していきます。

 

<日本語化の意図メモ>
最後の一行はよくある「その反対によって、その反対が起こる」という書かれ方の文章ですが、いまの感覚でわかりやすくするためにこのようにしました。
ヨーガ・スートラを読んだ人は自在力というとまずシッディ「siddhi」という語を想起するかと思いますが、ここでは「aisvarya」で、「自在神的なあれ」という感じです。


<用語メモ>
執着がある、執着する⇔無執着、執着しない(raga,ragat ⇔ vairagya,vairagyat / 先頭の vai=no )
居所、没入する、おちいる、そこに落ち着く(laya)
プラクリティに没入する(prakrti+layah)
輪廻が(samsaro)
成る、起こる(bhavati)
ラジャシックな、激質的な、激しい(rajasad)
自在、至上、繁栄、成功、富、力(aisvarya)
妨げられ(てい)ない、妨害・障害のない、無礙・無碍(avighato,avighata)
反対の、逆の(viparyayah,viparyayad,viparyasah)
その(tad)
layaにはものすごくたくさんの動詞的意味があるが、ここではよく英語でdwellingと訳される「没入」を選択。
vigataにもたくさんのネガティブな意味がある(obscured,disappeared,gone,destruction,failureなど)。

 

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