まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

3種の性質(トリグナ)と被造物

サーンキヤ・カーリカー 第54節・その注釈で述べられていること

サットヴァの多いものは上方に。タマスの多いものは下方に。
ラジャスの多いものは中間に。創造はブラフマーから草にまで及ぶ。


<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
前節の内容に即しつつ、インド思想で一般的なことを述べています。
この節の内容は、バガヴァッド・ギーターの14章18節とほぼ同じです。(下部参照)

 

<日本語化の意図メモ>
この節は特にありません。


<用語メモ>
上向きの、上方の(urdhvam,urdva)
サットヴァ(sattva)
大きい、巨大な、強い、重要な(visalas)
タマスの多い(tamovisalas / tamas+visalas)
根の、地の、土台の(mulata,moolata)
創造(sarga)
中心、真ん中、中間(madhya)
ラジャスの多い(rajovisalo / rajas+visalas)
ブラフマー梵天(brahma)
ブラフマーとともにはじまる(brahmadi)
に向かう、に至る(adistam)
草(stamba)
に至る、~まで、~へ(paryanta)
草に至る(adistambaparyantah)

 

アーサナ練習の雑学メモ>

「ウルドヴァ」は、上向きの(urdhvam,urdva)という意味です。

「ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ」(アップワード・ドッグ)、「ウルドヴァ・パドマ・アーサナ」などの「ウルドヴァ」です。

 

<バガヴァッド・ギーター 関連節>

 「バガヴァッド・ギーター」上村勝彦 訳 より

【14章18節:BG14-18】
純質に依存する者は上方に行き、激質性の者は中間に止まり、最低の要素(グナ)の活動に依存する暗質性の者は下方に行く。

 

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