まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

プラクリティは無用なことを実行する

サーンキヤ・カーリカー 第60節・その注釈で述べられていること

新たなさまざまな方法を使って、情け深く非利己的に、プルシャのために
グナを有するプラクリティは、グナを有さないプルシャのために、意味もなく実行をします。


<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
サーンキヤ哲学はグナを有するもの、有さないものの二元論ともいえ、この節はそのことがわかりやすい節です。


<日本語化の意図メモ>
この節は単語としてプルシャが男性詞、プラクリティが女性詞であることから、それを擬人化した訳とそうでない訳があるのですが、詩節自体が男性が~女性が~という文章ではないので、なるべく施設に出てくる単語の羅列を崩さずに日本語化しました。

 

<用語メモ>
新しい+種類(nava+vidhair)
 ※ここのnava はナーヴァーと伸びるので「9」ではない
手段、方法(upaya)
情け深い、優しい、後援者、援助者(upakarin)
無用な、非利己的に、見返りの利益なく(anupakarin)
人の(pumsah) ここではプルシャのこと
グナを有し(gunavaty)
グナを有さない(agunasya)
等しく、同様に(satas)
to 彼+のために(tasya+rtham)
対象をもたずに、意味もなく+whom(apartha+kam)
行う、する、やる、実行する(carati)

 

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