まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

ムース除毛とワックス脱毛

わたしが開催しているハタ・ヨーガのクラスへはじめてやってきた女性と、クラスの後にこんな雑談をしたことがありました。
平日夜のヨガクラスでは、背骨・肩・股関節をダイナミックに動かすことで「すっきり感」を得られることを大切にメニュー構成をしています。
仕事や雑事のあと、いろいろ頭の中に考え事や情報が散らかった状態で練習をはじめても集中しやすいよう、わざと通常の思考回路ではむずかしいと感じる動きを入れ、意識を「さっきまでの日常」から引き離しやすくしています。運動の強度はそうでもないのに、頭はスッキリする。視覚と脳の連動をあえて裏切るような、そんなメニューを多くしています。


ある日、はじめておいでになったかたが「ものすごく集中できた。スッキリした」とおっしゃっていました。最初はみなさんそうですが、クラスの展開にしがみつく感じでついてくる1時間が、その人にとって「ものすごく集中」であったのだろうと思います。
そこに「すっきり」のしかけがあります。
そのときは男性が先にお帰りになって女性しかいない状態だったので、こんな話をしました。

わたしは仕事の直後にリラックス系のヨガをしてもなかなか思考を止めることができなかった経験があるので、自分で組み立てるヨガクラスでは「思考をひっぺがす」ということを重視しています。
ムース除毛でふんわりやっている場合じゃない、すぐまた生えてくるやつも、ワックス脱毛ならもうベリッと抜けるじゃないですか。夜のメニューは、頭をお休みさせるアプローチとして、そういう感じです。


ぐるぐる思考のしぶとさとムダ毛が再生するメカニズムは、なんだか似ている気がします。
再生してほしくないところばかり再生してくるのも、よく似ていると感じます。