まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

とぼけたふりをしながら、ちゃっかり選んでいるわたしたちのこと

2020年の6月現在、8年ぶりにシャルマ先生の授業をオンラインで受けています。インドの先生が話す英語を即座に理解できる人ならリアルタイムで爆笑できることも、わたしはあとで辞書を引きながら何時間もかけて自分のメモを訳していくことで、やっと理解しま…

クンダリニーについての、さまざまなハタ・ヨーガ教典内の記述

このページでは、いくつかのハタ・ヨーガの教典内にあるクンダリニーに言及した記述を抜粋しています。クンダリニーという記述のある個所のみで、「彼女は」「かの女神は」のような代名詞表現の箇所は入れていません。代名詞や暗喩を含めると記述は多岐にわ…

三本柱でバランスする トリダンディ

ハタ・ヨーガの経典に残されている記述について、一年前にヨガクラスで話した内容がいまでも強く印象に残っていているとおっしゃる人がいて、あの話はそんなに印象的であったか…と思い、あらためてそのときに参照した経典も含めて見直しました。わたしが社会…

身近な人の習慣を嫌うのは同一視によるもの

ヨーガ・スートラの第1章1節~4節の説明する授業の中で、心のはたらきについて、先生が日常の事例で話をしてくれました。心のはたらきの「はたらき」の部分はサンスクリットでは vrtti. シャルマ先生は英語で behaviour という言い方で話されていました。心…

偏ったり保守的なふるまいのモードから抜け出すこと

ヨーガ・スートラの第1章2節について、インドで受けた授業のノートから、先生のお話が今になってずっしりくる。そんな振り返りをかねての紹介です。ヨーガ・スートラの第1章2節はこの節です。 心の作用を止滅することが、ヨーガである。(参考) この「作用…

ビンゴでギーター 12章17節

この節は東京で2名のかたが「刺さった節・気になった節」として選んでいました。それぞれ以下のような理由をお話いただきました。 最近抜け駆けをされて人に出し抜かれてしまったことがあり、心がひどく乱れ、この節が深く沁みました。敬愛するものに対して…

ビンゴでギーター 2章62節と63節

(※2019年に東京で選定者が増えたため加筆しアップデートしました)この節は関西で2名、関東で6名のかたが選定されました。理由をお聞きすると、怒りから破壊へのプロセスの説明がわかりやすいということでした。それぞれ以下のようなコメントでした。 何度…

ヴァールミーキの「ラーマーヤナ」は責任について書いている

インドの人が英語で話すときに使う「responsibility」は、日本語でいう「責任」とは少し違うニュアンスです。ヨーガの授業でシャルマ先生がヴァールミーキの「ラーマーヤナ」は責任について書いているという話をしてくれたことがありました。そのとき先生が…

感覚を細分化して理解する

ヨガクラスの始まりや終わりのときのガイドの背景について書きます。 座って目を閉じるガイドをするとき、わたしは以下のようなフレーズを使います。 目を閉じて、目の玉を奥に引っ込めて まぶたの内側のチラチラから意識を離すように、感覚を奥に引っ込めて…

その日の朝、はじめに見たものが大切。手のひらに神を見るマントラ

アンキット先生のチャンティングのクラスで唱えたマントラに、格別に好きになったものがありました。朝のマントラ(Early Morning Mantra)として教えてもらった「Karagre Vasate Lakshmi~」ではじまるマントラです。 両手のひらを見つめながら、以下の神様…

インド三大神の覚えかた「G・O・D」

チャンティングのアンキット先生が、「グルル ブラフマ、 グルル ヴィシュヌ…」ではじまるマントラの説明中にちょっとしたTIPSを話してくれました。1192つくろう鎌倉幕府、のようなもの。ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの三大神の役割の覚えかたは「G・O・D…

食べている時間は、食道をふさいでいる時間

シャルマ先生が食事について、しょっちゅう食べるのはよくないという話をされていました。理由はとてもシンプルで 食べている瞬間=食道をふさいでいる という考えかたです。 ヨーガのクリヤで鼻や喉の浄化法を練習しながら座学の時間にこのような話があり、…

頭の中のサーチエンジンと消化作用

ヨーガはエクササイズやスポーツとはちがうね、というアジェンダでの授業のメモの中にとても気になっている一行があります。パフォーマンスを上げるためにヨガをすることもあるけれど、スポーツのひとつのカテゴリとしてのヨガとヨーガは別だよという説明の…

ヨーガな瞬間と、そうでない瞬間。三つの観点

インドで受けた哲学の授業時間は、先生がなんとなく話す「こういうことってありますよね。あなたはどう考えますか?」というよう投球から始まってディスカッションへと展開し「ではそろそろ今日の本題に入ろうかな」となったりして、あまり英語ができないわ…

舌を楽しませるために食べているのではない。生きるために食べている

これはかなりのインパクトで、今でもよく思い出す先生の言葉です。 舌を楽しませるために食べているのではない。生きるために食べている。 寮ではブランチと夕食の時間がありましたが、夕食中は無言。おしゃべりは禁止でした。 日本で日常に戻って数年が過ぎ…

マントラはバイブレーションで、捧げもの

授業の合間の雑談で、シャルマ先生がインド人にとってのマントラについて話してくれたことがありました。 マントラは詩そのものに意味があるというよりもバイブレーションで、捧げもの。シヴァが妻のパールヴァティに贈った、捧げものなんだとおっしゃってい…

リラクゼーションとレイジーとレジャー

インドで受けていた哲学のクラスでは、 自分ひとりで自分の言葉で答えを探す空白の時間がたくさんありました。 ヨガニードラはrelaxationであって、lazyではない.relaxation と lazy は、なにが違う? ヨガニードラはrelaxationであって、leisureではない.re…

ヨーガの目的は強いディフェンス・メカニズムをつくること

日本ではデトックスという言いかたが親しまれていますが、インドで受けたナチュラル・トリートメントという考えかたについての講義で毒出しについての話がありました。小さなことが毎日いろいろ起こるなかで、人はバランスをとっている。これは体に限ったこ…

面接のとき、右の鼻が通っていたら右足から踏み出す

月暦(ルナカレンダー)と左右の鼻の通りの優性について教わったときのこと。月が大きくなる15日のスイッチ後、左右の優勢が一時間ごとに変わるという説明のあとに、シャルマ先生が雑談でよくあるメソッドとして以下のことを紹介してくれました。「You can c…

質問を口にする前に自分に問いかける

10代の学生さんもいる場で講座を行ったときのこと。その日は初対面の人ばかりだったので「もし質問があれば、今日はこのあとまだここにいますのでどうぞ訊きに来てください」と伝えつつ、あわせて以下のことを話しました。 ---- もし質問したいことが起こっ…

「無執着」のよくあるまちがった理解

ヨーガの哲学に必ずといっていいほど、しつこいといっていいほど登場する「non-attachment」「detachment」については、「こうではない」というイメージを併せもつことが有効のようです。わたしは授業で「よくあるまちがった理解」について教わりました。 シ…

30%の人は7つの穴に問題を抱えているといわれる

朝のクリヤの練習でシャルマ先生が「30%の人は7つの穴に問題を抱えている」といわれる。だからこの修行があるという話をされたことがありました。7つの穴というのは、目×2、鼻×2、耳×2、口 の合計7つの穴のことです。このお話を聞いたのは以下の練習を経験…

インド人の日本語がたまにかわいいのは、ぶりっこではない

これはマントラの音について説明するときに、たとえのように話すトピックです。サンスクリット語の音は日本語よりも子音が多く豊穣なのですが、「ざじずぜぞ」のなかでは「じ」しかありません。外国の人にとっては強い「ざじずぜぞ」の連続がむずかしすぎる…

5つのM(Panca Makara)の「Maithuna(性交)」

タントラ・ヨーガへの誤解を生むものとされている5つのM(Panca Makara)。この「Maithuna(性交)」についてはハタ・ヨーガ・プラディー・ピカー第3章83節のように理解のされかたとしては誤解を生みやすいものだという話になり、シャルマ先生がハタ・ヨーガ…

5つのMと魚の話

5つのM(Panca Makara)の話そのものは、インド思想のヨーガに関わるトピックの中では、"誤解のもとのひとつ" として形で扱われているもの。これについて、シャルマ先生が少しだけ雑談で話してくれたことがありました。どんな話しかたをするのかな…と、気に…

仕返しのチャンスがきたときに、ひっこめられること

今日ここで書くことは、バガヴァッド・ギーターの読書会にヒクソン・グレイシーという格闘家の自伝本を読んだことのある方がいらっしゃっていた際にわたしが話したことです。過去にその本を別のブログで紹介したことがあったので、ブログには書かなかった背…

ビンゴでギーター 6章5節

※2018年6月に新潟で選定者が増えたため、加筆しアップデートしました。 この節は5名のかたが選定されていました。前半は向上心を強く後押しし、後半は自分を振り返ることを促す節です。 選定者の理由は、このようなコメントでした。 職場でのできごとを思い…

パタンジャリは三人いる

インドでインド哲学のクラスを受けていた頃、初日にシャルマ先生がパタンジャリは三人いるという話をしてくれました。これは弘法大師のようにあちこちに伝説があるという話だろうかと思っていたら、そうではありませんでした。ヨーガを学ぶとパタンジャリ=…

神の存在のイメージが "道徳の先生" よりも "友だち" に近いインド

バガヴァッド・ギーターの読書会で、第9章7節・8節で展開される世界の仕組みの語りに対して「"はじめから何も生み出さなければ、こんなややこしい世界にならないのに" という点について、あっさりスルーされていてちょっと悶々とする」という感想を聞かせて…

ビンゴでギーター 4章22節

※2018年5月に関東で選定者が増えたため、加筆しアップデートしました。 この4章22節は東京で5名のかたが選定されました。 迷うことから解放されることについて説かれる節ですが、出だしのフレーズでいきなり心を掴まれる。どの訳にもそれぞれ味わいがあり、…