サーンキヤ・カーリカー 第12節・その注釈で述べられていること
トリグナは快・不快・消沈を自然な性質として持ち合わせ、(トリグナそれぞれは)照らすこと・活性化させること・抑制することを目的としています。
トリグナは相互に支配し、よりどころとなり、生成し、協力し、作用しあいます。
<「サーンキヤ・カーリカー」内でのこの節>
トリグナの説明がはじまりました。次の節で、トリグナのはたらきかたを説明します。
<日本語化の意図メモ>
日本語選びで妙味が出すぎてしまう節ですが、なるべく一般的な言葉を選びました。
アーユルヴェーダとヨーガの思想の中間にあるように感じられる節。トリグナはバガヴァッド・ギーター内でも明言されます。ギーター内でのトリグナは精神面に主眼があり、サットヴァ至上主義をとるヨーガと少し似ています。サーンキャはこの点で言うとアーユルヴェーダに近く、淡々と羅列します。
<用語メモ>
満足、安らぎ、快(preeti)
不満、不快(apreeti)
憂鬱、消沈(visada,vishada)
本質とする、自然な状態としてもつ(atmakah)
目的のために照らす、明らかにする(prakasya,prakasha)
活性化させること、努力する(pravritti)
抑制すること(niyama)
目的(artha)
相互の、相互に関係のある、共通の(anyonya)
優位を占める、優勢な、支配する(abhibhava)
拠り処、よりどころ、サポートする、助ける(asraya)
生、発生する、生成する、生み出す、創造する(janana)
対になる、ペアになる、協力的な(mithuna)
従事する、反応する、活動する、作用する、約束する(vrttaya)
グナ(guna)
<バガヴァッド・ギーター 関連節>
グナがグナに対してはたらきかけることについて、以下の節で説かれています。
【3章28節:BG3-28】
しかし勇士よ、要素(グナ)と行為が【自己と】無関係であるという真理を知る者は、諸要素が諸要素に対して働くと考えて、執着しない。
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