まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

見える対象、見えない対象への4器官のはたらきかた

サーンキヤ・カーリカー 第30節・その注釈で述べられていること

4つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス・知覚行為器官のどれかひとつ)は、見えるものに対して、同時または順次にはたらきます。
同じように、見えないものに対しては、3つ(ブッディ・アハンカーラ・マナス)が先行してはたらきます。


<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
第29節までで認識に関係する諸器官やパーツのリストアップが済んだので、ここからは認識の際の諸器官の関係性の説明に入っていきます。
この節では、見えるものの認識・見えないものの認識について述べています。

 

<日本語化の意図メモ>

この節は後半の文章配置が少しあやこしく、「それら + 先立つ(tatpurvika / tat+prvika)」のかかる先が訳者によって微妙に揺れています。
見えるもの・見えないものは、視覚器官が関わった・関わっていないの違いがあるだけ。目にしたことで、"みなす" というはたらきが起こる、としています。
まだ五感のどれかでは確認がしていなくても、五感以外のもので予測したりすることを述べています。


<用語メモ>
同時の、同時に存在する(yugapat,yugapac)
4(catu)
4つのもの、4つで構成される、4つのグループ、4部門、4セクション(catustayasya)
はたらき、作用(vrtti)
連続的に、順番に、順次に、継続的に、シリーズで(kramasas)
そしてまた(ca tasya)
~といわれる(nirdista)
可視の・不可視の 見える・見えない 知覚できる・知覚できない(drste adrste)
そしてまた(tatha api
3つの(trayasya)
以前の、過去の、古の、(purvika)
それら + 先立つ(tatpurvika / tat+prvika)

 

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