まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

満足は内的なものが4種、外的なものが5種。合わせて9種類


サーンキヤ・カーリカー 第50節・その注釈で述べられていること

(満足の)内的なものは4種類あり、「プラクリティ」「手段」「時間」「摂理」と呼ばれます。
(満足の)外的なものは5種類あり、感覚器官の対象から離れることから起こります。(合計して)満足は9種類と考えられます。

 

<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
満足(tusti)の種類をカウントしています。
内なる・外なるという語りかたは、第一節と同じです。

 

<日本語化の意図メモ>
upadana という単語を「運」や「運命」と訳すと、「満足」を「喜び」と訳すほうがしっくり来てしまうので「摂理」にしました。

 

<用語メモ>
内的な、内面的な、内なるもの(adhyatmika)
4(cata)
4種類(catasrah)
ラクリティ(prakrti,prakrty)
素材、材料、物質的原因、手段(upadana)
時間(kala)
運、運命、摂理、神意(bhagya)
呼ばれる、名づけられる(khya)
外の、外部の(bahya)
感覚器官の対象から離れる、感覚器官の喜びを捨てる(visayoparamat)
5(panca)
9(nava)
満足、喜び(tustayo)
~と認められる、~と考えられる(abhimatah)

 

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