まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

達成は8種類

サーンキヤ・カーリカー 第51節・その注釈で述べられていること

(8種類の達成は)

  1. 考えること
  2. ことば
  3. 学習
  4. 内なる苦痛を滅する(「3種の苦痛を滅すること」の1)
  5. 外なる苦痛を滅する(「3種の苦痛を滅すること」の2)
  6. 神意、運命による苦痛を滅する(「3種の苦痛を滅すること」の3 / 自然災害など人知の及ばないものによる苦しみ)
  7. 友の獲得
  8. 布施

です。

以前に述べた3種類(あべこべの認識、無能力、満足)は、達成を妨げる鉤(かぎ)です。

 

 

<「サーンキャ・カーリカー」内でのこの節>
達成(siddhi)を細分化してカウントしています。
3種の苦痛は、第1節で述べられています。

 


<日本語化の意図メモ>

本文ではリストされているだけですが、注釈や通例理解を踏まえると以下のようになります。

  • ことば ⇒ 師(グル)のことばによる教示、口伝
  • 学習 ⇒ 聖典の学習

 

 

<用語メモ>
想像する、考える、推定、思索(uha,uhah)
ことば(sabda,sabdo)
勉強(adhyayanam)
苦痛、苦悩、苦しみ(duhkha)
妨害・障害のない、無礙・無碍(avighato,avighata)
3の、3種の(traya,trayah,trividhah)
友人の獲得(suhrtprapti)
布施(dana)
成就、達成、完成、確立(siddhi,siddhih,siddhayo)
8(asta)
過去、以前の(purva)
(拘束する)鉤・フック、コントロール(nkusa)

 

▼次の節へ

 

▼インデックスへ