まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

偏ったり保守的なふるまいのモードから抜け出すこと

ヨーガ・スートラの第1章2節について、インドで受けた授業のノートから、先生のお話が今になってずっしりくる。そんな振り返りをかねての紹介です。
ヨーガ・スートラの第1章2節はこの節です。

 心の作用を止滅することが、ヨーガである。(参考

この「作用」にあたるのが、サンスクリットでは vrtti という語。


授業ではこの vrtti について分解し、先生が別の言い方で話してくれました。授業は英語だったのでわたしのほうで日本語化して書いています。

 偏ったり保守的なふるまいのモードから抜け出すことが、ヨーガである。(先生談)

偏り、保守的と訳したところは biased と reactionary 、ふるまいと訳したとことは behaviour.
vrtti というのは心の修正・変更作用だという話をしてくれました。

 

この授業を受けてから8年になりますが、授業のノートの内容が年々ずっしりと響くようになっています。
先生が言い換えて話してくれたこの教えは、ぼんやりとニュース情報を追っているときに陥りがちな心のモードにそのまま当てはまります。