まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

動物には動物のビヘイビアがある。人間にはそこに「神的」「悪魔的」がある

シャルマ先生のクラスの頻出用語のひとつ、behaviour があります。
この単語は辞書で引くと、行動・動作・挙動・振舞い・素行などさまざまな日本語が出てくるけれど、今日のトピックの流れでは、マーケティング用語でよく使われる「ビヘイビア」がわたしにはしっくりきます。
状況に対して選ぶ行動、という意味を含んでくる、ただの傾向や癖よりももう一歩行動意識や行動原理に踏み込んだニュアンス。

 


先生は人間とほかの生物の違いを「内面にコンフリクトがあるかないか」と説明されていました。
個人の内面のコンフリクトは人生に影響を与え続けるもので、それを知る行為としてヨガの練習を始めるのです、と教わりました。
コンフリクトのレベルが、人間をつくると。そのあとで、このようにおっしゃいました。

 


 人間のビヘイビアには「神的」「悪魔的」がある

 

 

「神的」「悪魔的」という視点は、善悪の判断基準を安易に採用しがちな心に、すき間を作ってくれます。
自分の行動を正当化したいときに善悪の基準は便利なことも多いけど、その基準を他者から借用していることも多いもの。

悪魔的な善の使いかたもあるなと、この日のノートを読み返しながら、そんなことを考えました。