うちこの座学から
こんにちは。ヨガのうちこです。はじめましてのかたは、はじめまして。 このページは、わたしが主催する読書会のご案内です。 ヨーガの視点で読む読書会を12月1日(日)に関西で開催します。課題図書は遠藤周作著『沈黙』です。 「この読書を共通の話題にし…
この春からヨガクラスの付録として『サーンキヤ・カーリカー』と『ヨーガ・スートラ』をちょこっと紹介することにしました。 そこで、先日練習に参加いただいたかたにコンセプトをお話しました。 『サーンキヤ・カーリカー』も『ヨーガ・スートラ』も 読み親…
わたしはヨガクラスでいつも同じ喩えを使います。ヨガに関する書物を英文で読んでいると、vehicleという表現が使われていて、それは肉体は魂の乗り物と捉えるから。この肉体から次の肉体に移る「乗り換え」がある、輪廻思想がベースになっています。 ヨガ・…
今日のヨガクラスの前に話したことを書きます。 わたしのヨガクラスで定期的にお会いするかたや別の仕事場でお会いするかたを見ていて、半年ほど前に発表された「約4割の人が感染を経験」(関東の都心の話です)という構成比が、わたしの周辺では実態に近い…
この文章を書いたのは2022年9月の第2週目で、最近のハタ・ヨーガのクラスの前に話したことを振り返って文章化しています。 普段はなるべく時代の空気をまとわない題材を選んでいるのですが、このトピックについては読み返したときに現在の日本の世相・空気が…
先日、わたしが主催する読書会の冒頭で、初めてヨガを教わった先生の話をしました。その先生は流暢な日本語を話す、インドのコルカタからやってきた先生で、客観的な視点から教えてもらう日本の歴史はとても興味深いものでした。(先生は昨年他界されました…
先月開催したオンラインでの夜のほぐし会の雑談から。ごあいさつを兼ねてお話しした内容に背景を添えて書きます。 ハタ・ヨーガの教典を読んでいると、ときどきオノマトペのような、繰り返す言葉に出会います。そのなかに、似ているけれどもちょっとニュアン…
昨年の大きな環境変化のなかで行ったヨガクラスの冒頭で話したことを覚えてくださっていた人が、そのフレーズを寸分違わずメールにさりげなく書いてくださり、その時話したことを思い出しました。その日は、練習の前にわたしが何年もかけて実感してきたこと…
ハタ・ヨーガの経典に残されている記述について、一年前にヨガクラスで話した内容がいまでも強く印象に残っていているとおっしゃる人がいて、あの話はそんなに印象的であったか…と思い、あらためてそのときに参照した経典も含めて見直しました。わたしが社会…
ヨガクラスの始まりや終わりのときのガイドの背景について書きます。 座って目を閉じるガイドをするとき、わたしは以下のようなフレーズを使います。 目を閉じて、目の玉を奥に引っ込めて まぶたの内側のチラチラから意識を離すように、感覚を奥に引っ込めて…
10代の学生さんもいる場で講座を行ったときのこと。その日は初対面の人ばかりだったので「もし質問があれば、今日はこのあとまだここにいますのでどうぞ訊きに来てください」と伝えつつ、あわせて以下のことを話しました。 ---- もし質問したいことが起こっ…
これはマントラの音について説明するときに、たとえのように話すトピックです。サンスクリット語の音は日本語よりも子音が多く豊穣なのですが、「ざじずぜぞ」のなかでは「じ」しかありません。外国の人にとっては強い「ざじずぜぞ」の連続がむずかしすぎる…
今日ここで書くことは、バガヴァッド・ギーターの読書会にヒクソン・グレイシーという格闘家の自伝本を読んだことのある方がいらっしゃっていた際にわたしが話したことです。過去にその本を別のブログで紹介したことがあったので、ブログには書かなかった背…
バガヴァッド・ギーターの読書会で、第9章7節・8節で展開される世界の仕組みの語りに対して「"はじめから何も生み出さなければ、こんなややこしい世界にならないのに" という点について、あっさりスルーされていてちょっと悶々とする」という感想を聞かせて…
この理解・解釈は自分の中にずっとあるもので、身体を動かすヨガクラスでたまに話していることです。わたしはヨガ・インストラクターやヨガ講師と言われる立場でクラスをリードしますが、練習に来る人の宗教観はさまざま。なので、日常に落とし込んだ説明を…
バガヴァッド・ギーターの読書会で、気になる節として13章10節を選んだかたが、 『ひとことで「執着」といっても、それをよくないと思っている人もいるし、むしろわたしの場合は少し執着しているふりのようなことをしないと相手を悲しませたり怒らせてしまう…
わたしのところへは、かつてヨガをやっていて、久しぶりに再開しようという気持ちで来られるかたもいらっしゃいます。 先日、一度おいでになったあと少しブランクを経ておいでなったかたが「前回、頑張りすぎちゃって…」とおっしゃっていました。 「前回は、…
これは座学ではなくヨガクラスであったこと。直近数回の練習の動きで少し気になる左右差が見えた人に 「右の足首、ケガかなんかしてます?」 とたずねたら、とくにケガではなかったようなのですが「前から気づいていたのですか」と言われました。気になって…
夏目漱石の小説を題材に、インド思想の心理学視点で「心」を掘り下げていく時間でお話したこと。ここでは過去にインド人のヨガの先生から過去に聞いた話を含めて書き起こします。この話をしたのは、「坊つちゃん」という小説に登場する主人公のさまざまな「…
これは、たまに背景の思想も含めながら説明をする拡大版・ハタヨーガのクラスで話したこと。その内容に、解説を加えて書きます。その日は呼吸法のカパーラ・バーティをやりました。この「バーティ」には光り輝くという意味がありますが、あまり端的に話して…
バガヴァッド・ギーターを読む会の関西開催で話した、ギーターの日本語訳のおもしろさについて。 ギーターをいろいろな訳で読んでいると、こういうのは訳しにくいのだろうなと思うところがいくつもあります。9章23節の最後「avidhi purvakam」の部分は、学者…
バガヴァッド・ギーターを読む会の関西開催で、こんなことがありました。 参加者の感想のなかに、クリシュナがまるで「ジャイアン・リサイタルのようだ」「なんでこんなにパーティー・ピーポーっぽいのか」という率直なコメントがあり、わたしもそんなことを…
アーサナを何年も継続してからギーターを読むようになった人が、読書会で感官の制御に関する節を選ぶケースが増えてきました。わたしはヨーガはその哲学に入る前にアーサナのクラスを経てから参加いただくのがよいと思っていて、アーサナのクラスはもちろん…
バガヴァッド・ギーターに出てくる smrti(記憶)に karma-indriya(行為器官)、jnana-indriya(知覚器官)と直接経験、推論を組み合わせた事例として、こんな話をしました。以下、口語調で書きます。 わたしはインドの書物にある記憶や五感・知覚・経験に…
バガヴァッド・ギーターやヨーガ・スートラに出てくる smrti という「記憶」に関する話題のなかで、こんな話をしました。 「かわいい」にもいろんなかわいいがあります。ピンクや赤のようなものや、まぁるいもの、ラブリィ、プリティ、ちっちゃなタイニィ… …
ヨーガでは感覚を統制することを教えるので、わたしはアーサナのクラスでもたまに、感官=門の説明をします。 ヨーガでは肉体を「九つの門のある城」のように表現します。門というのは、感覚の発生するきっかけを作る穴。眼×2、耳×2、鼻×2、口、尿道、お尻の…
2015年の夏の関西開催で、夏目漱石作品をもともといくつか読んでいて初参加をされたかたから「なんで夏目漱石なんですか?」というシンプルな質問をいただきました。 そこで作成したテキストに補足を加え、主な理由をいくつか紹介します。 二元論を超えよう…
座学で途中におやつタイムを入れる際に唱えている歌は、バガヴァッド・ギーター第15章14節です。 私は一切人火(ヴァイシュヴァーラナ)となって、生類の身体に宿り、プラーナ気とアパーナ気に結びつき、四種の食物を消化する。(上村勝彦 訳) 歌は、わたし…
バガヴァッド・ギーターにはいくつか太いテーマがありますが、そのなかのひとつが、主体性をもって生きること。直接的な表現は少ないですが、全体に薄紙を敷いたような存在感で根底にあるテーマです。バガヴァッド・ギーター読書会で2章47節を選んだかたが、…
『夏目漱石「こころ」をヨーガ心理学で読む会』で「帰属意識と Abhinivesha」について話しました。 この講座は読書会形式で、参加者のみなさんが課題図書の中から抜き出したフレーズを元に、ヨーガ哲学の視点で掘り下げていきます。同じサンスクリット語でも…