まろやかインド哲学

専門性よりも親しみやすさを優先し、インド思想(インドの視点)をまろやかな日本語で分解演習します。座学クラスの演習共有のほか、サーンキヤとヨーガの教典についてコメントしながら綴ります。

だれもあなたの部屋を片づけにきてはくれない

今日書くことも、久しぶりに受けたシャルマ先生の授業の初日のお話からです。
先月に書いた「Howではじまる問いの中にいましょう」というお話のあとに、先生はわたしたちに以下のように言いました。

 だれもあなたの部屋を片づけにきてはくれない。
 スニルも、パタンジャリも、ブッダも。

この授業は心のはたらきについての授業なので、「僕はあなたの意識や感情の片づけはしないよ、自分でしかできないことだから」というわけです。スニルというのはシャルマ先生の名前です。
その少し前段階で話されていた「問いを Why から How にする」ということと結びついているのですが、自分の名前を先頭に持ってくるところがこの先生の話しかたのおもしろさであるなぁと思いながら聞きました。

 

このお話の少し前に、ブッダはすべての人に対して個々に基本的な質問をした、という話がありました。
納得は当人のなかでしか起こらないことを前提とした説得は、個々への基本的な質問であったという流れでお話されていました。
パタンジャリというのは、ヨーガ・スートラを残した人と言われている人物の名前です。